uchunohazama’s blog

孤独がデフォルト。

HOME SWEET HOME

我が懐かしの故郷とか、故郷へ、とか、家に帰ろうとか、そんな意味だ。

そして、若い方には判らないかも知れないけれど、1981〜2015まで活躍したバンドの名曲でもある。

 

私自身はこのバンドとリアルに過ごした時間は短い。

 

私はいつもそうで、少し間隔をあけて知っていたバンドにある時急速に近づくと、何故かその頃にだんだんとバンドが終焉を迎えていく。

ツェッペリンもそうだった。

彼等を、やっぱりカッコいいって再認識し始めたのがアキレス ラスト スタンドっていう曲で、、、少し興味を持って近づいていくことになる。大人になったジミー ペイジは、否、ツェッペリンは、アルバムとしての完成度がとても高くなっていって、音とリズムが交差する。

そして真剣に良さに気づいて受け止めた頃、間も無くバンドはボンゾというドラマーの死によって解散する。

 

それからずっと私は惑い、揺れるジミーのリアルな酷い話をイギリス帰りの方々から聞いていた。見てきたことを伺い、パブで酒に酔い、更に薬物で爛れた生活をし、店の人達からも無視されていたとか。そんな姿を幻の様に思い浮かべては、当時のあらゆる音源を聴いて、その凄い落ち込みを追体験していた。

 

そしてその頃にアメリカでお馬鹿でちょー悪なバンドが出て来ていた。

それがモトリークルーだ。

当時の私は知ってはいても、人生はジミー ペイジと共にファームや、ロイ ハーパーとの滅茶苦茶なアルバムを聴きながら、思い切りツェッペリンの終焉を悲しんでいる最中で、とてもじゃない、ねぇちゃん、ぶっ飛ばすぜ、なんて気持ちではなかったのだ。

 

当時の私にはモトリークルーって、ちっとも引っかからなかったのだ。

 

でもちょくちょく、ヒットチャートから、おお?というのはあった。それらは概ねバラードで、そして、このホーム スイート ホームはかなりヒットした初バラードの1つであり、そして多くの人々に振り向かざるを得ない何かを感じさせた。

それは、ハードロック好きとか、パンク好きとか、メタラーとか関係なく、ラジオから流れてくるこの曲に、単純に多くの人が耳を傾けたのだ。

 

You know I'm a dreamer
But my heart's of gold
I had to run away high
So I wouldn't come home low
Just when things went right
It doesn't mean they were always wrong
Just take this song and you'll never feel
Left all alone
Take me to your heart
Feel me in your bones
Just one more night
And I'm comin' off this
Long and winding road
I'm on my way
I'm on my way
Home sweet home
Tonight tonight
I'm on my way
I'm on my way
Home sweet home
You know that I've seen
Too many romantic dreams
Up in lights, fallin' off
The silver screen
My heart's like an open book
For the whole world to read
Sometimes nothing keeps me together
At the seams
I'm on my way
I'm on my way
Home sweet home
Tonight tonight
I'm on my way
Just set me free
Home sweet home
Home sweet home
Home sweet home
Home sweet home
I'm on my way
I'm on my way
Home sweet home
Yeah yeah
I'm on my way
Just set me free
Home sweet home

俺が夢見る男で
決め込んで逃げることがあったとしても金のハートは
落ちこんで、家に帰ろうとはしなかったさ


そして何か上手くいったからといって、
誰かが悪かったというわけでもないんだ
この曲を聴いてごらん、誰も孤独なんかじゃないって1人じゃないって感じて欲しい


お前のハートと一緒に
骨の髄まで俺を感じてくれよ
今夜また一晩、
この長く曲がりくねった道を通って、
俺が行くよ


今、帰る
今帰るところなんだ。
家に戻るところさ。
    今夜・・・今夜・・。
    自由になるのさ
    帰途にいる
    戻るところさ

 

沢山のロマンティックな夢も
光によって注目されて

気付けば
動画で皆んなにさらされる。


俺の気持ちは開いた本の様に

世界中がお見通しの様に語り

それぞれの俺が

いったいどれが本物なのか俺が判らなくなる始末。


今、帰るのさ
そうさ、帰るんだ我が家へ
俺の家に帰るのさ

    今夜・・・今夜・・
    この道で帰る
    自由になるのさ
    ホーム・スウィート・ホーム

 

 

この曲の意味することはとても深い。

ツアーで疲弊しきって、プライベートも無くなってきた彼ら。でも、60〜70年代の諸先輩たちより賢く、ビジネスもわかってきた社会と折り合っていたはずで、音楽業界も悪ガキ達の扱いは良く解ってきていた。そしてバッドボーイズが売りの、馬鹿やる事が生き甲斐の、そしてそこから来る音楽をやっていたら、色々な事故や事件に巡り合い、友人を死に追いやったり、瀕死になったり、知人たちの醜い金の争いを目の当たりにしても仕方ないのかも知れない。家に帰りたい。安全な所にいたい。でも棲息している世界はそして何も変わっていなくて、変えられないまま、頭で理解していても疲弊して行く。

 

以前、ジョー ペリーが、エアロスミスというプロジェクトを成功させるプロなのだと発言した事があるが、バンドは最初は仲良しでも、やがて仲良しではなくなることがある。当然ながら彼らも色んな悲しみや人生の岐路に立ち、継続して行く間に嫌でも大人になっていった。そしてプロジェクト MOTLEY CRUEとして、彼らは仕事をして行く。

 

更に長い年月の間に迎える最後の日。

 

2015年12月31日。

彼らはツアーから完全に撤退する。

 

このHOME SWEET HOMEは、ツアーに出ると意気込んで出た途端、帰りたくなる気持ちを歌ったと作詞のニッキーは言っている。

この心の動きは、書いた時点では単純に身近な心の動きであったのかも知れない。でもこの曲のヒットにより、曲の中に色んな人々想いや、彼らの長い年月の想いや、思い出が入りこみ、大きく膨らんでいったのではないかと思う。

 

バンドをやろうと意気込んで突っ走ったけれど、やがて行き過ぎた行為の反動で人が亡くなったり、自身が死にかけたり、血だらけの人間ばかり周りにいたら、ふと戻りたくなるだろう。それほど彼らは悪ガキをやり切った。

 

俺たちをクソだと言う奴らもいるが、なら言ってやる、俺の人生をお前生きてみろ。

 

ニッキーはいつでもカッコいいな(笑)

 

この言葉はきっと誰でも、誰にでもお互いに言える言葉だろう。

 

私の人生を生きてみろ(笑)

 

私はきっとあなたの人生を生きても、きっと同じ所で躓いて、同じ所で号泣して、私はきっと私だったと思うけれど、そして、あなたもきっとあなただったかも知れないけど。

 

 

否、シンデレラになっていたかもね。

 

 

 

有名になると言う事は、大金と引き換えに何でもかんでも晒されて、誰も彼もが自分のプライベートを覗き込むという事で、大抵の人はここでおかしくなる。

大体、日本という小さな島国の中と、アジアの都市部くらいで有名なだけでもおかしくなる人がいるのだから、アメリカのショービズ界で有名になると、鼻をかんだだけでもニュースになる。

そんな中でも根性でやってきていて、何回も仲間割れもして、そしてやり抜く姿は、悪ガキのイメージよりも、かなりプロフェッショナルだと思う。

多くのバンドをやっている若者達よ。

成功している人達は、プロフェッショナルだから成功しているのだ。

 

そんな彼らでも貧しかったけど、誰も傷つけるほど大事にならなかった時代に戻りたかった。殴り合いはしていたけれど(笑)

そんな感傷的な弱い気持ちだったのか。

それともバンドでひと旗あげるのだと思っていた輝く気持ちに?

もっと以前の、生まれてこのバッドボーイズになるまでのトラウマを生み続けた時代の、本当の故郷に。。。。

 

トラウマは、無い人間はいないだろう。

人生はストレスとトラウマによって作られる部分がとても重要だと私は思う。

マイナスイオンと、プラスのイオンが影響しあって素粒子になって、更に何かになって行くように、私達が私達である、自分である、という事は、そのキャラクターを作る上で、トラウマなどはとても重要な役割であり、それは神様からの、もしくは悪魔からの、尊いギフトなのだと思う。

それがなければ、私ではないし、貴方ではない。

 

だからみんな違うし、違って当たり前で、違う事が素晴らしいのだ。

 

このバンドは様々な悲しみに出会う。

一番最初にヴィンス ニールが悲しみに出会う。

彼らは毎日の様に酒を飲んで酔っ払い、薬物に溺れ、女の子に明け暮れていた。

飲みながら運転なんて、食卓でマナー違反と知っていても当然のようにお上品に丁寧に箸でとって口に運んでも崩れて食べられないじゃないか、と、かきこむ牛丼のように、酒飲んだら酒が無くなるのだから車に乗って買いに行こうじゃないか、という有様だったのだけれど、そこで彼は事故に遭う。

そして隣に座っていたハノイ ロックスというバンドのドラマー、ラズルは、死んでしまい、さらにそのバンドは解散してしまうのだ、、、

 

事故のその時、ヴィンスは、ガタガタと震え、頭を抱えていたと言う。

 

彼らは喧嘩して殴ってボコボコにする痛さと、事故ってしまう傷の違いは知っていた。ガチで殴り合いは大好物でも、そして死は望んではいなかった。

 

ショックで傷つきつつ、懲役刑を受ける。

そしてそんな彼をまだバンドは必要としていた。

 

傷ついたヴィンスは、今までのようなどんちゃん騒ぎはしたくないと言い、そして他のメンバーはそれぞれの生活における辛さから薬物に溺れる。

食い違いつつも、ヴィンスは、再び酒に溺れて行く。そこしか逃げるところがないからだ。

 

ミック マーズは脊髄が石化する病によりこの頃から鎮痛剤と麻薬におぼれはじめていたし、ニッキーとトミーは、兄弟のように2人でヤンチャしまくり、時としてニッキーは引きこもり、薬にどっぷりと浸かって精神状態は鬱と、禁断症状でおかしくなっていく。元々がナルシストで、非常に語彙の多い人である。面倒臭いヤツなので、自分で自分を取り扱いきれないのだろう。うーん、、他人と思えない(笑)

 

そしてニッキーは薬物の過剰摂取により心肺停止になる。元々ナルシストな彼は、それを再び物語にしてバンドは復活して行くのだけれど。

 

バンドは毎回、危機ばかりだ。

 すれ違いも多く、ヴィンスは二回もバンドをクビになる。

ニッキーは、薬から立ち直ろうとしながら何度も挫折して溺れ、這い上がるを繰り返しているし、トミーは、そんな兄貴たちの後ろを何にも考えずに追いかけて行くうちに、元々持っていた才能やら、何やらが、彼を不服に追い立てる時期もやって来る。

トミーは私が思うに少し発達障害があるのではないかと思う。

だから天才的なものがあらゆる所にあったりするし、更に若い頃は美しかった。だから、トミーはとても重要なメンバーだし、トミーと、ミックが居なかったらモトリークルーは成り立たない。

でも弟分にしては大人になり過ぎ、音楽的にはこのバンドでは物足らなかったりもするのだろう。けれども人間的にやる事が一々子供で、ニュースになる。

その度になんだよあいつ、またかよ、何やってんだよ、、と他メンバーはなるだろうし、そしてそれでも彼らはお互いの尻拭いをしつつ、やり続けてきたのだ。

 

アメリカは契約社会で違約金が高いから、とか、違約金と儲かるであろう金を比べたら儲かるから、とか、それもかなり引き留める要素としてあるとしても、その為に人生を切り取り過ぎて生きてきた。

 

そしてヴィンスは、愛娘を病気で失う。

 

ツアーで旅ばかりの日々など、もうやってられない。と、彼はバンドと同じくらいやりたかったサーキットレーシングにのめり込む。そしてレコーディングをサボりクビ。

ツアーで、海外にいる間にどんどんと周りが崩れて行く。自分の生活は時間の波に飲まれて行くだけだ。私達が、ほんの束の間、多忙極めたりしていても、かなりなストレスになる経験はあると思うけれど、まぁ、お金はかなり手に入るし、ストレス解消も半端ないレベルではあっても、人間のスペックとして、これをやり遂げたって事は素晴らしいと思う。

 

ミック マーズは女に騙されて無一文になって、海辺に打ち上げられる。どうしてそこにいたかも分からないほどボロボロになって、気付いたら打ち上げられていたという。

更に悲しいことに、その姿さえ誰1人助かるわけでも無く、彼は独りで気付いて独りで戻るのだ。。。

 

大きな悲しみは大きな行き違いを生み、その度に彼らは立ち直り、またやろうと始める。まだ終わっちゃいないぜ、と。

 

これだけでも、私たちの人生で、34年間やり続けていたとしたら、、私ならどうなっていただろう。

 

神様はスペック以上の負荷は与えないので、あり得ないし、負荷と富は比例していると思う。

彼らは人生の切り売りの時代を終えて、体力的スペックの衰えと共に、ビジネスとしてどう関わるかを学んで行く。

 

でも、1人、トミー リーだけは一番若いと言う事もあり、スペックの衰えに他メンバーより時差がある。追っかけていたお兄ちゃん達が勝手に大人になって体力も夢も希望も持て余しているように見える。

そして自分のやりたいアイディアはなかなか取り上げられない。新しい若いアイディアで、情熱的に生きていたのに、兄貴たちは冷静なビジネスマンになって行く。

ミックとトミーは、12〜3歳も差がある。

リーダーのニッキーとも6歳程違う。だからどうも温度差が出来てしまう。

彼の熱いそしてわかりやすいアメリカ人気質は、そしてちょっとガキっぽいのも手伝って、解散コンサートの後、他の3人と行動が全く違うのにも顕著だ。みんなが薬や酒から距離を置いてクリーンになる中、アル中で息子に殴られていたりする。

 

大人になろうとしている皆は、もう特にミックは67歳だ。病を抱えて70近くて、更に音楽は2時間やったら痩せて行くようなハードな音楽だ。フィジカルが、ライブで追いつくはずがない。この中で、トミーだけが、また新しい音楽を新しいアイデアでやろうと騒いでいて、そしてニッキーと、ヴィンスはトミーから距離を置く。

 

そして彼だけはみんなから距離を置かれてしまう。最年長のミックだけが見捨てていない。

見捨てるも何も、あまりにも年齢も離れ過ぎているので、お互いの生活圏に介入がないと言うのもあるだろう。

もしかしたら、ミックはトミーとベクトルを合わせることで、若さを保っていたのかも知れない。

 

まだ彼らが生きている限り、彼らのHOMEはどこなのか、答えはまだまだ出て来るだろう。

やっぱりバンドだった、となるかも知れないし、各々のトラウマを生んだ子供の頃に向き合って卒業することかも知れない。

 

 

この4人の動き全てが、そしてHOME SWEET HOMEの歌詞そのものに見える。

大人になろうとしても、そして家にも戻りたい。。。

そして。。やがて。。。

 

本当に大人になって戻った時にこそ、故郷は本当の意味で故郷になる。

甘えるのでもなく、頼るのでもなく、完全に卒業したからこそ、戻れる、家路。。。

そんな風に彼らは予感して歌っていたのかも知れない。

 

この歌はそして多くの人に感銘を与えた。

 

この歌にみんなが家路を見つけた。

どんな家路かわからない。

安全な場所

思い出の場所

戻りたくても戻れない場所

いつか戻るためにつくる場所

 

 

ニッキーはMOTLEY CRUEに、最終という締め切りを押し付ける事で、何を見つけたかったのか。。。

これはまだまだ続くこれから先の話なのか、、

何を思ったのだろう。。。

 

 

ミックの健康上の問題

トミーのメンタルとアル中

 

これがMOTLEY CRUEを継続する事で悪化しないように??いやーそんなにお人好しでもないだろう。

でもそして、ここまでやったバンドに対して、卒業証書を渡したかったのか。。

 

その後、SIXX:AMも一旦停止して、ラジオパーソナリティーもやめたニッキー。

走り続けてきた彼らが、一旦停止して、何を見つめるのだろう。

ここの所、インスタでベースをドラムに合わせて弾いてみたり、ギターを練習してみたりと、ミュージシャンニッキー、ベーシストニッキー、アーティストニッキーを強調しているのだけれど、、、私にはそこに何かあるように見える。

 

ニッキーは、ベースの下手な、ベースを弾かないベーシストとしてかなり有名でもあるのだ。

 

SIXX:AMの他メンバーの2人は、音楽的に同意して新しいプロジェクトを立ち上げた。

ニッキーは、SIXX:AMは、麻薬中毒者からの立ち直りというコンセプトで立ち上げたバンドで、他の2人にとってそれは引きずるコンセプトではなく、もっと音楽を追求したいと感じた、、、としたら。

 

ニッキーにはそれが無かった。。。

 

ニッキーは、プロデュース能力と作詞、溢れる語彙には他を圧倒するものがある。

 

でもミュージシャンではない、と、突きつけられたのか???

 

 

うーん、、、

 

 

 

人生なんてそんなもんだよ、ニッキー。

 

 

自分はアーティストだって信じてたのに、創造より構築に長けていると言われたとしても、その限りない財産と、知名度を利用されたとしても、、、

 

 

そんな事は大した問題じゃないんだ。

 

 

 

そして私は今日も彼らの曲で頑張って生きようと思う。

 

1人1人はクズ野郎でも、諦めないで熱く生きれば、ちゃんと生きていけるのさ。

 

もし、お前の人生がレモンだったら、酸っぱさに生きないでレモネードを絞るんだ!

( 英語圏スラングでレモンはクズとか、ブスとか、下らないとかの意 )

 

モトリークルーは、泥臭くてCOOLで、そしてちゃんとずる賢くお金も儲けて行く。

そして大切にしている事は、ブレない。

ブレない馬鹿野郎だ。

馬鹿野郎で生き抜く事にブレはない。

本当に素晴らしく馬鹿野郎です。。。

 

 

 

HOME SWEET HOME、、、、