ヘヴィメタルな毎日
昔、ヘヴィメタ系の、なぁんも考えてまへん的なのがとても苦手だった。
お金持ち系の田中康夫と米軍宿舎で不良体験の村上龍が流行ったが、村上龍派だった(笑)
当時、幼な妻とか流行ってて、私は早速、流行に乗って結婚した。
結婚したら大人になれると信じていた。
大人になりたいと思っていた。
旦那様はブラックサバスが大好きで、その旦那様が思い切り脳天気で、当時の私はそこに救われていながら、何だかとても苛立っていた。
だから生きて行くのに、大人になろうとすることがなく、いつものんびりした彼に、何だか少しずつ苛立って、そして、メタル系は嫌いになった。 メタルは私にとって、子供の象徴みたいになっていたんだと思う。
当時、旦那様は友達とバンドをやってて、布団を叩いて練習してて、そしてそのリズム感まで脳天気な気がして、どんどん私は頑なになって行った。反動もあったし、当てつけもあったと思うけど、1人であれこれ捻り回して、そしていつも旦那様を怒ってた。
結局、私は別れてしまうのだけれど。
なんでだろう。最近はそういうのが苦手だ。
やたら難しい事を書いてる本とか、老眼のせいか読む気もしない。
暗い考え方の本とかもいつの間にか全く読まなくなっていた。
音楽も暗いのはあまり好まない。
自分は醜くて
気持ち悪い
僕はこんなとこにいちゃいけない
とか歌ってるのはあまり心地よくない。
いや、否定はしていない。レディオ ヘッドのこの感覚は、俺が俺がっていう世の中では、受け身で、繊細だと受け止められていて、わからなくもないし、勿論、昔のジャニスとか、ジェイムス テイラーとかも聴かない訳ではない。
でも、
窓のそばに座って
落ちる雨を見ている
鎖と重りに繋がれた私の気持ちの様に
落ちていくのよ
愛してるのにダーリン!
と叫ばれても、じゃあ、辞めりゃいいじゃん、そんな恋愛。と思ってしまう。
何処かの国の曲に、着てはもらえないセーターを、涙堪えて編む人とか、曇ったガラスの結露を手で拭くと、明日が見える様な気がしてる人とか、人の吸ったタバコの吸い殻見て、折れてるから嘘だと思う人の歌があって、これ、ほんと、病院に行ったほうがいいから。と思う。
メンタルクリニックに行ったら絶対に処方対象だと思う。
歳のせいかも知れないけど、こういうのを聴いてしまうと気分も落ちて、どうしようもなくなるか、逆に苛々してしまう。
悲しい時に落ち込んで聴いても、やっぱり最後は80年代メタルに戻ってしまう。
海外のエンタメ界の人達は、普通に薬物やっていて、メタル系も殆ど薬物中毒でアル中で、アッパーにしてもダウナーにしても、普通のテンションからの発信ではない訳で、特にアメリカでは、コカインはやらなくても、コカインに近い薬をきちんと医者から処方されている人まで含んだら、もう、何だかわからないくらい、薬物中毒でアル中だ。
そして辞めるんだって頑張ってる人達も沢山いて、ある意味メンタルカオスというか、ギリギリの方々ばかりで、そこから出てくる発信が、落ちて行く方なのか、元気な方なのかなら、元気な方のパワーには、生命力が溢れてるのかも知れない。
そしてどうにか長生きしてるメタルなおじさん達は、健康を取り戻して、薬物からの立ち直り運動とかしてるので、まともなフリしてる政治家や、評論家より、もしかしたら健康的なのかも知れないし、そしてちゃんとアーティストだ。凄い世界を生き抜いてるよね。
日本の平和なテンションで、普通に生きてる私なのに、普通に朝起きて、仕事行くだけでも精一杯で、帰ってきたらヘトヘトになってる。
元気に見えるらしいけど、私は実は1人が大好きで、7:3で1人の時間がないと崩壊する(笑)
そんな弱々しいメンタルの私だけど、世間の評価は元気でフランク、明るいね、なのだ。
パンパンに心にメタルを詰め込んで、笑顔を絶やすことなく、頑張ろうと思う。
メタルばかりなのは、とにかく元気になるからだ。
沢山本を読んだり、考えたりしてきても、大した事を考えられない頭で、こねくり回して考えて、雨を見ながら身体を愛(情欲)の重りと鎖で繋いだり、着てはもらえないセーターを編んで、泣きそうになるの我慢したり、ガラスの結露拭いて、明日を見ようとしながら隣の親父のパンツ見てしまうのだろう。
いい加減、もう情欲も何もないけれど、いずれにしたって、私の頭では大したことは考えられない。それはもう、半世紀以上生きて、充分に分かっている。
だから雨が降ったら外に出て濡れてしまっても、セーターも自分の為に編んで、明日なんかどうなるかわからないから、今、頑張ろうぜ、と、全てに中指立てて、舌出して、何でもいいから生きるのさっ!てほうが、とにかく今の私には必要なパワーだ。
自分が恵まれない人生だったとしても、何かをすることから始めるんだ。
身体がキツイなぁとか、目が見えなくなったなぁとか、稼ぎが減ったなぁとか、どうしてだ?などと考えるより、とにかく目の前のこと、しっかりやろう、さあ、行くぜだ!
若いうちはこねくり回してた物は、もう全て手放したい。
生きているだけで丸儲け。
こねくり回したことは無駄ではなかったけどね。
明日もCrazy Trainに乗ります。
な、61歳なのでした(笑)